東京高等裁判所 昭和31年(ネ)1841号 判決
而して右登録無効審判事件の抗告審判に於て、昭和三十二年三月四日に抗告審判請求は成り立たない旨の審決がされたことは当事者間に争のないところであり、この事実と成立に争のない乙第一号証(右第一審審決)及び乙第六号証(右抗告審判の審決)とにより認められる右無効審判事件の内容に照らし、右第一審審決を支持した抗告審判の審決も之に対する訴により取り消される恐れは更になくなつたものと一応認められ、この認定を動かすに足る資料は存しない。このように仮処分決定後に同仮処分により保全されるべき権利が審決によつて無効とされ、且同審決が取り消される恐れが殆どないことが明らかとなつたことは、たとえ右審決が未だ確定するに至つていなくても仮処分当時の事情に変更があつたものとすべきであり、右に反する控訴人の主張は之を認容することができない。
(内田 原増 高井)